個人情報保護方針


 

経営講座の第65回目です。

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Question
音楽の著作権

当社ではあるイベントを企画しているのですが、そのなかで、市販CDに収録
されている楽曲をパソコン上にコピーした上、会場内でBGMとして流す予定
です。著作権法上問題別ませんか。
なお、入場料などを取る予定のため、有料イベントです。

Answer
著作権等の侵害にあたります。解説をご確認ください。

(1)著作権侵害
CD等の媒体により市販されている楽曲については、作曲者・作詞者などに
著作権が発生しています。
著作権者は、
・無断で著作物を複製されない権利(複製権※ただし、私的利用のための
複製は除きます。)
・無断で著作物を公衆に見聞きされない権利(上映権)
 などの権利を有しています。
 そして、市販CDに収録されている楽曲をパソコン上にコピーする行為は
「複製」行為に該当するため、著作権を侵害することとなります。また、コピー
した楽曲をイベント会場で流す行為は「上映」行為に該当するため、同様に
著作権侵害となります。
著作権を侵害すると、著作権者から、侵害行為の差止請求や損害賠償請求
などを受けるおそれがありますし、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の
罰金またはこれらの併科という刑事罰の対象となります。

(2)著作隣接権侵害
楽曲には、(1)で述べた著作権だけでなく、著作隣接権という権利も発生して
います。
作曲者や作詞者とは別に歌手や演奏者といったアーティスト(実演家)が存在
する場合には、これらの者も、自己の演奏した楽曲を無断で複製されない
権利を有しています。また、レコード会社も、CDに記録された楽曲を複製され
ない権利を有しています。
これら著作隣接権者に無断で複製した場合には、著作隣接権侵害として、
著作権侵害の場合と同様に、民事上の請求を受けたり、刑事罰の対象と
なってしまいます。

(3)権利侵害を避けるために
(1)(2)のような権利侵害を避けるためには、著作者、実演家及びレコード
会社と楽曲の使用契約を締結する必要があります。なお、著作権者は、著作
物の権利管理について、JASRACをはじめとした会社に権利管理を委託して
いる場合が多く、その場合には、その会社との間で楽曲の使用契約を締結す
ることとなります。
なお、著作者が死亡してから50年以上経過した楽曲については、原則として
著作権が消滅しているため、著作権侵害は起こりえません。例えば、モーツ
アルトの楽曲などは著作権による保護を受けないため、自由に使用すること
が可能です。
ただし、これを実演家が演奏し、レコード化されれば、(2)で述べた著作隣
接権は発生するため、注意が必要です。