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経営講座の第132回目です。
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Question
覚書の効力

●質問
当社には継続的に商品を納品している取引先があるのですが、この度
契約内容を見直すことになりました。商品の価格を見直し、今までより
も少し高い価格で納めることとなったためです。
このことは取引先も了承しているのですが、当社としては、変更した
ことが明らかとなるように書面を作成したいと考えています。その際、
新たに契約書を交わし直すのでしょうか。 それとも、覚書を作成する
ことでも構わないのでしょうか。

Answer
作成する書面が「契約書」か「覚書」かで法的な効力は変わりません。
詳細は解説をご確認ください。
●解説
契約書は、契約を交わした際に作成する書面の代表的なものです。
その主な目的は、契約が成立したこと及び成立した契約の内容を記録
しておくことで、後のトラブルを防止することです。つまり、契約を証明
するための書面として作成されるということです。
契約を証明するためには、基本的に、契約当事者の署名や押印が
必要であるため、契約書には署名・押印をし、当事者がそれぞれ
原本を保有することが一般的です。
このような目的・役割・形式を持った書面であれば、名称が契約書では
なくても、法的な効力に影響はありません。 ご質問にあるような、従来
の契約条件を変更する約束も、法的には契約の一部と考えられ ます。
そのため、それを証明するために作成し署名や押印があるのであれば、
契約書という名称でも覚書という名称でも法的な効力に違いはありま
せん。
もっとも、一般的には、正式な契約の前に取り交わす書面や、すでに
ある契約を変更した場合に作成する書面に、覚書という名称が用いら
れることが多いといえます。ただし、この場合に覚書という名称を使わ
なければならないわけではなく、先のとおり、名称は法的な効力には
影響しません。
ご質問の場合も、価格の上昇が明記されているか、当事者双方の
書面・押印があるかと いった点が重要です。特に、取引先と価格を
めぐってトラブルとなり、価格の上昇が証明できないとすれば、不利益
を被るのは貴社です。内容と形式が整っているか、十分に気をつける
ことが重要です。