個人情報保護方針


 

経営講座の第100回目です。

                            経営講座バックナンバー
Question
社長の財産と経営権の行方

私は、当社の代表取締役社長であり、100%株主でもあります。
もし、今、私が死亡した場合、私の保有している財産と、当社の経営権は
どうなってしまうのでしょうか。
私には、妻子がおらず、両親は年老いた父親のみが存命です。兄弟は兄が
いますが、昔から仲が悪く、ここ何年かは疎遠です。私の財産や経営権等
が、兄にわたってしまうのだけは防ぎたいです。

Answer

(1)社長の財産について
 民法上、相続人は以下のように決まっています。
 @配偶者と子、配偶者がいない場合には子のみ
 A子がいない場合には配偶者と両親、配偶者がいない場合には両親のみ
 B親がいない場合には配偶者と兄弟、配偶者がいない場合には兄弟のみ

ご質問の場合、上記@〜BのうちAに該当し、相続人となるのはお父様
のみとなります。この場合、お兄様は相続人とはなりません。
したがいまして、お兄様に財産がわたるのを防ぐ対策は特段講じる必要は
ありません。
いずれにしても、お父様に社長の全財産が相続されることを明確にしてお
いたほうがよいですし、また、第三者への遺贈(遺言により財産を贈与す
る)をお考えであれば、遺言書は作成されたほうがよいでしょう。

(2)会社の経営権について
貴社の株はすべて社長がお持ちだとのことですが、この株式はあくまで社
長個人の財産です。そうすると、(1)で述べたとおり、社長が亡くなら
れた場合には、お父様に相続されることになります。
お兄様は相続人になる余地はありませんので、株式がわたることはなく、
会社の経営権を握ることもありません。
社長が亡くなられた場合には、お父様に貴社の全株式が相続され、100%
株主となったお父様により、代わりの取締役を選任していただくことに
なります。